ほとんどの方が住宅ローンを組んで、マイホームを購入しています。
でも、住宅ローンについてよく分からないと思っていませんか?
住宅ローンには固定金利と変動金利の2つの金利タイプがあります。
変動金利を選べば金利は定期的に変わります。固定金利はずっと同じ金利です。
固定には、全期間固定金利型と固定金利期間選択型があります。
どの金利タイプを選ぶかで支払いの総額も変わってきます。
この記事では、基本的な住宅ローンについてわかりやすく解説しました。
ぜひ最後まで、読んでみてくださいね。
目次
全期間固定金利型
借入れの期間中ずっと金利が変わらないタイプです。
借入れした時から完済するまで、契約時の金利で返済していきます。
全期間固定金利型のメリットとデメリットはこちらです。
メリットは、
・毎回の返済金額が確定しているため、返済計画が立てやすい
・金利が低いタイミングで契約すると、最終支払いまで金利が低いまま
・契約後に市場金利が上昇しても、返済額は変わらない
などがあります。
デメリットは、
・変動金利型に比べて、金利が高く設定されている
・契約後に市場金利が下がっても、返済額が減少しない
が挙げられます。
全期間固定金利型で有名なのがフラット35です。
フラット35とは?
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して、提供している長期固定金利住宅ローンのことです。
フラット35のメリットとデメリットについてお伝えします。
メリット①月々の返済負担が軽減
長期間で借りられるので、毎月の返済額が少なくなります。
また、将来の金利上昇時のリスクを可能な限り安全に乗り切りたいという考えの方にはオススメです。
メリット②保証料が不要
住宅ローンでは、土地代金と建物本体および付帯工事の費用しか借りられません。
なので、家を建てるときと土地の購入に必要な諸費用は自己資金で支払う必要があります。
この諸費用の中に住宅ローンの保証料含まれています。
保証料は金融機関によって異なります。
高いところでは、数十万円の場合もあります。
自己資金はできるだけ使わずに手元に置いておきたいですよね。
保証料が不要なので、最大で数十万円を手元に残しておけます。
メリット③繰上げ返済手数料が不要
住宅ローンを返済していく中で、資金に余裕ができるタイミングがあります。
その時に、まとまった金額(100万円以上)を返してしまう「繰上げ返済」という方法があります。
他の住宅ローンの場合、繰上げ返済をする場合には1〜3万円の手数料を取られます。
ですが、フラット35の場合は手数料がかかりません。
なので、繰上げ返済をするときに手数料を気にすることがなくなります。
メリット④保証人不要で審査が通りやすい
保証会社の保証を得るので、保証人は不要です。
また、審査が他の銀行のローンよりも緩いです。
なので、一般的に審査が通りにくいとされる個人事業主や自営業者でも審査が通りやすいです。
さらに、銀行ローンよりも多くの金額を借りられることが多いです。
銀行でローン審査が厳しそうな方は、フラット35を検討してみてはいかがですか?
続いてはフラット35のデメリットです。
デメリット①金利が高い傾向にある
長期間、金利が変動しないフラット35では、変動型の住宅ローンより若干高く設定されています。
デメリット②独自の審査条件がある
フラット35の審査を受けるためには、フラット35が定めている条件を満たさなければいけません。
所得、融資額、建物などの条件が定められています。
デメリット③自己資金がないと金利が上がる
住宅取得に必要な資金の9割以下の融資の場合、金利が大きく下がります。
そのため、ある程度の自己資金を用意しないと金利が上がってしまいます。
もっとも良い条件の金利で借入れを望む場合には、諸経費に加え、土地代、建物代の1割を自己負担金として用意しなければいけません。
例えば
諸経費 300万円
土地代 1500万円
建物代 2000万円
の場合
土地代+建物代
1500+2000 = 3500万円
3500万円の1割 = 350万円
諸経費+土地代と建物代の合計の1割
300+350 = 650万円
つまり自己負担金として650万円必要ということになります。
固定金利期間選択型
契約時に2年、3年、5年、10年などの期間を選び、その期間中の金利が固定するタイプです。
例えば、10年固定金利であれば、借り入れから10年間は金利の変動はありません。
10年後からは変動金利になります。
固定金利期間が長いほど金利は高くなります。
固定期間終了後は、その時点の金利水準で変動金利型にするか、再び固定期間にするのかを選ぶことができます。
固定金利期間選択型のメリットとデメリットはこちらです。
メリットは
・固定金利の期間中に比較的低い金利で支払いができる
・固定金利期間中は返済額が変わる心配がない
があります
デメリットは
・固定金利期間後の金利が上がる可能性が高い
・金利の変動によっては将来の返済額が変わる可能性がある
があります。
固定期間が短ければ、固定期間中の金利はより低くなり、その後の優遇幅は小さくなります。
逆に固定期間が長ければ、固定期間中の金利は短期よりも高くなり、その後の優遇幅は大きくなる傾向です。
この傾向を把握して、うまく自分のライフプランに当てはめられれば、デメリットを少なく抑えられます。
ただ、金利の上昇によって、固定金利後の金利が高くなる可能性もあり得ます。
変動金利型
住宅ローンの返済中に経済情勢の変化に連動して金利が変わるタイプです。
通常半年ごとに金利が見直されます。
変動金利型のメリットとデメリットはこちらです。
メリットは
・金利水準が下がれば、ローンに適用される金利も下がり、将来の返済額も少なくなる
・金利が大きく上昇した場合でも、5年ごとに返済額を見直すため、すぐに家計に影響することも避けられる
があります。
デメリットは
・金利の変動によって、返済額が変わる可能性がある
・金利が上昇すると、返済額のうち金利の割合が大きくなり元金があまり減らない
・未払利息の発生の危険性がある
があります。
未払利息とは何か知っていますか?
未払利息についてご説明します。
未払利息とは?
未払利息とは、返済しても返しきれない利息のことです。
急激な金利上昇が起きたときに、月々の支払うべき利息の金額が返済額よりも多くなってしまうと未払利息が発生します。
例えば、毎月の支払いが5万円
5万円の内訳は
元金が3万円
利息が2万円
金利が急上昇したら、利息が6万円に上昇した
この場合には、支払額は変わらず5万円です。
なので、利息が毎月1万円支払えていない状況になります。
この1万円が未払利息となります。
ちなみに、未払利息が発生すると返済額からローンの元金部分に充当される金額はゼロになります。
つまり、ローン残高は減らなくなり、利息だけを支払っていく状態になってしまいます。
なので、未払利息が発生しないように資金計画をきちんと考える必要があります。
固定金利と変動金利はどちらを選ぶべき?
固定金利と変動金利のどちらのタイプを選ぶかというのは多くの人が悩むところです。
実際にローンの利用者はどちらを選んでいるのか気になりませんか?
住宅金融支援機構が行なっている「2016年度 民間住宅ローン利用者の実態調査」(2016年度 第1回)によると
・変動型:49.2%
・固定期間選択型:36.9%
・全期間固定型:13.9%
となっています。
過去7回の調査結果でも一番多いのが変動金利型です。
変動金利が人気となる理由は、金利の低さです。
1.0%を割る数値もめずらしくはありません。
しかし、変動型のデメリットでもお伝えしましたが、金利上昇のリスクはあります。
金利が上昇すれば、毎月の返済額に占める元金の割合が減少します。
返済額は変わらなくても、金利のアップ分を免れているわけではないのです。
将来の金利の動向を正しく読むことができれば、どちらのタイプが有利かを判断できます。
ですが、将来の金利の動向を正しく読むことは不可能です。
金利上昇による返済額の増加に耐えられる人、金利上昇の影響を受けにくい人は変動金利型を利用しても良いと言えます。
多少は金利負担が大きくても、金利上昇の心配がなく、安心して返済が続けられるという方は全期間固定金利型の選択が向いています。
どうしても判断ができない場合には、「金利ミックス型」を選択することもできます。
金利ミックス型は変動金利と全期間固定型を組み合わせたタイプです。
すべて全期間固定で借りるよりも毎月の返済額が低いです。
さらに、金利上昇のリスクも変動金利型のみで借りるより抑えられます。
まとめ
全期間固定金利型、固定金利期間選択型、変動金利型の3タイプの住宅ローンについてお伝えしました。
それぞれの住宅ローンのメリット、デメリットを理解してから、どの金利型にするのかを選びましょう。
どうしても選べない場合には、金利ミックス型にすることもできます。
金利上昇時まで見越して「変動金利型」にするのか
あるいは、金利の変動を気にしない「固定金利型」にするのか
将来のあなたにとって、家計に無理のない返済可能額を基準にしながら検討してみてください。